SHU一級建築士事務所

石巻と南三陸町。

支援物資の段取りも落ちついたので
少しだけ、書いてみます。
あの大震災から3ヶ月。
6/12(日):石巻市
6/13(月):南三陸町へ行ってきました。

12日、仙台から車で石巻へ向かう。
街と街の間、道路しかないようなところに
突然仮設住宅群が現れた。
土地不足に困窮しているのは知っているが
こんなところに?と驚く。
まだ入居はされていなかった。
高台の展望公園のようなところから海沿いの街をみた。
テレビで見た場所だ、と思った。
車で山を下り、住宅地であったであろう場所を歩いてみる。
テレビで見たものとは全然違う、と思った。
本来は見えない物が、普通に現れている光景は異様だった。

今もはっきりと爪痕を残している商店街に、人影はない。
と、1件、開店している店があった。
こんなところで?と思ったが
こんなにも空気が変わるものかと思った。
そこに人がいるというのは、大切な事なんだ。

13日、仙台から車で南三陸町へ向かう。
きらきらと光る一面の水田の緑と、山と空。
そんな道が続く。あ〜美しい所だ、と思う。
と、道の両脇から、突然景色が消える。
津波の押し寄せた境界線がはっきりと見えた。
車を降りて、住宅地であったであろう場所を歩く。
波によって逆さまになった堤防の裏っ側を歩く。
津波で倒された物と、引き波で倒された物とが交差している。
この辺はまだ手つかずなんだ….、と思うも
これでも随分整理された跡なのだという事に、
しばらくしてから気が付いた。

避難所でお話した方が、駅の周辺に住んでいた、と言う。
丁度さっき、車を降りて歩いた場所。
駅にも寄って来た、と言うと
“駅ったって、何にもなかったでしょ。”と笑っていた。

今回は、避難所での生活の事や仮設住宅への思いなどの
聞き取りが主な目的でした。
それぞれの避難所で生活をされている方々と
じっくりとお話する事ができました。
みなさん、やさしくたくましい方々でした。
爪痕を見て、感じる事、考える事も大切ですが、
やはり生の声を聞く事の大切さを思いました。


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